ここがポイント

- 日本の個人投資家の人数を調べてみた
- 正確な統計データは存在しないので各推計値を確認
- 500万人〜5,600万人と幅のあるデータに
こんにちわ。こんばんわ。ジョン246(@100man1oku)です。
日本人は投資に疎いとよく言われます。ただ日本人て表立ってお金の話をしないので、実際は裏でやっていたりするのではないかと思います。実際個人投資家ってどれくらいの人数が居るんだろうか?
気になりましたので、いくつかのデータを元に調べてみました。
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【個人投資家の人口調査】企業の株主の数の推移
所有者別株主数(2018年):上場企業数3,735社 | |
区分 | 人数(単位:人) |
政府・地方公共団体 | 1,330 |
金融機関(銀行・保険・年金) | 97,532 |
証券会社 | 90.643 |
事業法人等 | 763,759 |
外国法人等 | 500,383 |
個人・その他 | 54,736,928 |
合計 | 56,190,575 |
日本で一番の株式市場である東京証券取引所が調査レポートしている「2018年度株式分布状況調査の調査結果について(要約版)」によると、日本の4証券取引所(東証、名証、福証、札証)の合計の株主数は5,619万人(※)とのことです。
そのうち、個人株主数は前年度比5,473万人(※)となったようです。(※いずれも延べ人数)
このレポートによると、個人投資家の人数は約5,600万人となっていますが、「各上場会社の株主数を単純に合算した延べ人数」であるため、名寄せやマイナンバーを用いた正確な個人投資家の人数(ユニークな人数)を表しているとは言えず、公式のレポートであるものの実態よりもやや過大な数字と言えます。
なお、最新の上場企業数はこちらの記事でも解説していますので参考にしてみてください。
上場企業の数は何社ある?日本の上場企業数の推移と決算期の割合を調査。
それでは、別の数字も見て考察していきましょう。
(参考)個人株主数の推移
出典:東京証券取引所
年 | 人数(単位:人) |
2004年 | 37,560,717 |
2005年 | 40,823,376 |
2006年 | 42,319,427 |
2007年 | 42,911,279 |
2008年 | 44,819,387 |
2009年 | 44,794,800 |
2010年 | 45,919,282 |
2011年 | 45,918,313 |
2012年 | 45,967,310 |
2013年 | 45,754,089 |
2014年 | 45,821,320 |
2015年 | 49,446,389 |
2016年 | 49,677,178 |
2017年 | 51,299,952 |
2018年 | 54,736,928 |
参考までに個人株主数(延べ人数)の推移を記載いたします。増加傾向にあります。
【個人投資家の人口調査】ETF受益者とREITの株主の数の推移
区分 | ETF受益者数(単位:人) | REIT株主数(単位:人) |
政府・地方公共団体 | – | – |
金融機関 | 3,670 | 6,693 |
証券会社 | 2,022 | 1,337 |
事業法人等 | 5,099 | 14,439 |
外国法人等 | 5,443 | 14,029 |
個人・その他 | 710,375 | 815,333 |
合計 | 726,609 | 851,831 |
同じく東証の調査(2019年)でETFやREITを買っている人の人数の記載がありました。(こちらも延べ人数)
今度は100万人を切る数字が出てきました。ETFやREITは個別銘柄よりもわかりにくいので、個別株や投資信託を投資している投資家さんから更に厳選した人数となっていそうで、逆にこちらも正確な実態からは乖離していそうです。
また後述しますが、証券会社の口座数とも乖離があります。
【個人投資家の人口調査】従業員持株会に加入している人数
調査対象会社従業員数 | 731.1万人 |
持株会加入者数 | 284.8万人 |
加入率 | 38.96% |
次に見ていくのは従業員持株会に加入している人数です。従業員持株会は複数の会社で入ることができないので、ユニークの人数を見る指標としては他の指標よりも確実性がありそうです。
調査は2019年3月末時点で、従業員持株会の運用代行をしている大手5社と事務委託契約を締結している従業員持株制度を有する3,206社が対象ということで100%網羅しているわけではありませんが参考にはなりそうです。
この調査によると調査対象人数の約730万人に対して、加入者数が約280万人とおよそ40%の加入率です。
持株会に加入しない理由は様々です。投資自体に興味がない、人的リソースを会社に割いていて更に株も投資すると過度なリスクになるので意図的に回避している人などです。
これらの加入しない理由に関する内訳がないので、これの数字が正確な投資家の人数を表しているとは言い切れませんが、ある程度リテラシーを有していると思われる上場企業の従業員で投資寛容な人がユニークで4割程度いるという一つの推計にはなります。
単純計算ですが、労働人口の約7,000万人に40%をかけると2.700万人位と推計されます。
【個人投資家の人口調査】大手証券会社の口座数から推計
会社名 | 口座数 | 個人売買代金シェア |
SBI証券 | 495万 | 35.5% |
楽天証券 | 337万 | 22.5% |
松井証券 | 120万 | 10.3% |
カブドットコム証券 | 113万 | 8.6% |
マネックス証券 | 183万 | 5.1% |
(参考)野村証券 | 532万 | – |
(参考)大和証券(※2017年3月末) | 388万 | – |
(参考)SMBC証券 | 344万 | – |
各社IRより2019年9月末時点の口座数を調べました。これによるとオンライン証券でNo.1の口座数を有するSBI証券で約500万人。対面でNo.1の口座数を有する野村証券もほぼ同じ規模の532万人ということです。
こちらも複数口座の開設が可能ですので一概に言えませんが、売買代金のシェアなどから、これらの会社の口座を有していない人の方が少ないと思われますので、最低でも個人投資家は500万人〜1,000万は居ると考える方が自然でしょう。
【個人投資家の人口調査】日本証券業協会の調査から推計値
出典:日本証券業協会
日本証券業協会の名寄せ調査などによる推計値によると、個人投資家の人口はおよそ1,330万〜2,030万という結果になっています。ある程度の名寄せがされていることや株主関連の書類送付用のデータを元に算出されているので、より実態に近い数字ではないでしょうか。
【個人投資家の人口調査】各調査からの推計値(まとめ)
調査媒体 | 推計の個人投資家の人数 |
所有者別株主数 | 5,600万人 |
従業員持株会からの推計値 | 2,700万人 |
大手証券会社からの推計値 | 500〜1,000万人 |
日本証券業協会の調査 | 1,330〜2,030万人 |
個人投資家の人数を正確に統計データとして取っているところがないのでここまで、いくつかの調査による推計値を見てきました。どの数字を使うかは受け取り手の判断かと思います。
個人的には日本証券業協会の調査が一番肌感に近いかなと思います。