2020年12月22日に上場したウェルスナビについて、個人投資家の予想の逆を行く値動きを見せています。今後のIPOのこともあるので、思っていることをつらつらと書いていきたいと思います。
なお、本当に思ったことを順番に書いているので、内容は全然まとまっていないのでご容赦ください(笑)
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ウェルスナビのIPO概要を見てみよう
公募額 | 1,150円 (引受額1,063.75円) |
想定時価総額 | 495億円 (吸収額189億円) |
初値 | 1,725円 (公募比+575円/+50%) |
まずはウェルスナビのIPO概要を簡単に見てきましょう。一般論として初値が公募額を大きく上回るというマザーズのIPOらしいIPOとなりました。
しかし、事前のIPOブログやツイッターなどでの個人投資家の評価では当選の報告も多いことや売り出し枚数も多くあまり評価の高い部類ではありませんでした。
なぜ、個人投資家とのGAPが生じたのでしょうか。
ウェルスナビの売上・営業利益(経常利益)が気になった?
<単位:百万円> | 2017年12月期 | 2018年12月期 | 2019年12月期 |
売上(純営業収益) | 204 | 860 | 1,533 |
経常利益 | △763 | △1,718 | △2,057 |
純利益 | △776 | △1,722 | △2,061 |
純資産 | 1,708 | 3,188 | 5,260 |
1株あたり純資産 | △439 | △299 | △486 |
1株あたり純利益 | △75 | △50 | △53 |
ウェルスナビの業績を見てみましょう。上場前までは投資フェーズということもあり利益が出ていません。一般論として個人投資家が投資判断に入れるPERやPBRと言った取っ付きやすい指標という面では評価が難しい銘柄と言えます。
その上で、売り出し枚数も多く既に時価総額が大きい部類のIPOでしたので、初値以降の下落がチラつき二の脚を踏みたくなる状況は揃っていました。
ウェルスナビのベンチャーキャピタルの多さが気になった?
次にウェルスナビのベンチャーキャピタルの状況を簡単に見ていきましょう。上位株主だけの集計ですので誤差はあるかもしれませんがベンチャーキャピタルの割合が社長よりも大きいですね。
何を持ってベンチャーキャピタルが多い少ないとするかは個人個人で差があると思いますが、売り圧力という点ではかなりの割合になりますので、ベンチャーキャピタルの多さが気になる部類だったのではないでしょうか。
またウェルスナビ前のIPOのいくつかでベンチャーキャピタルが少ない会社の方が好調な株価だったことも心理的に影響したかもしれません。
他の証券会社との比較が気になった?
会社名 | 時価総額(21/1/9) | 預かり資産(21/1/9調査時点) |
松井証券 | 2,131億円 | 24,842億円 |
GMOフィナンシャルHD | 962億円 | 9,267億円 |
ウェルスナビ | 1,402億円 | 3,300億円 |
他証券会社との比較というのは当然意識されます。
収益構造が他の証券会社と全く同じ比較ができない点が若干気になるものの、証券会社のビジネスモデルを極限までシンプル化すると「預かり資産×手数料」と考えると他の証券会社との比較で割安には見えない状況でした。
このような背景もあり、初値が上がるIPOに見えなかった個人投資家も多かったと思います。
(今後のIPOへの仮説)評価差分を考える
個人投資家の推察の域を出ませんが、ウェルスナビは上場後にファンドの大量保有が出ました。
これはおそらくなのですがIPOを担当する証券会社が折り込んでいる範囲(折り込んでいい範囲)や役割とファンドなどの大口投資家が折り込んでいる範囲に差分があるのだと思います。
一般論としてIPOを担当する証券会社は株を買ってもらわないといけません。そういう役割を踏まえている部分もあると思います。一方でファンドなどは自身の投資の役割を元に投資をしていると思いますので、ここに差分が生じたのではないかと個人的には捉えています。
この点を踏まえると「ファンドが買ってくる規模感」のIPOの際は評価差分が生じていないかどうかを判断する必要があるように感じました。
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