IPOを見て思うのですが、インターネットの普及による弊害の一つとして個人的に感じているのが「企業の中二病(※)」です。これは私の造語なのですが、このような企業が増えたなと思います。
資金を集めるには必要だと思うので、おそらく証券会社などから入れ知恵が入っていると思うのですが、インターネットの普及により、特に2010年代以降の上場企業の「成長の可能性」を示す資料には必ずと言っていいぐらい目にします。
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私が考える「企業の中ニ病」
(1)やたらと「デファクトスタンダード」「プラットフォーマー」になりたがる病
これは最近特に増えたなと思います。「業界のデファクトスタンダードになります!」「この分野のプラットフォーマーを目指す!」などが該当します。
そもそもデファクトスタンダードなんて特に今は簡単になれない。日本企業の戦いの場が海外に移って来ている現状を考慮すると日本語という言語は残念ながら不利ですし、デファクトスタンダードになるには既存の仕組みや業界慣習を変える必要があるので容易な道のりではないですよね。
この分野のプラットフォーマーになりますも結構危険。そもそもプラットフォームの要らない隙間に無理矢理入ってくることが本当に多い。本当に必要な場合は競合が多いというジレンマ。
大体、この二つは便利であったりユーザー数の盾があったりしてユーザーの評価を得た後から付いてくるものだと思います。
(2)ベラベラとビジネスモデルを語る
本来ビジネスモデルやノウハウはあまり語り過ぎるべきものではないと思います。必要以上の情報開示は競合へ情報を与える可能性もあります。しかし、一部の会社では必要以上にベラベラと経営者がビジネスモデルを語ってしまうケースがあります。なんなら手にキャベツを持たせながら。
ベラベラと喋る場合の多くはその程度のビジネスモデルしかないか、もっと深いビジネスモデルを持っているかのどちらかです。前者だとひどいケースが多いです。
(3)M&Aや海外など、いきなりハードルを上げまくる
ロードマップにM&Aや海外が含まれているのは多いに結構なのですが、どう考えても資金調達で得た資金の使い道は、そこじゃないだろうとツッコミたくなる場合は危険。そもそもお金や人材もある企業ですら海外やM&Aはうまく行かないことが多く、簡単ではない。
まあ実際にはM&Aや海外に使われるケースよりも、実際に必要なところに投資される事が多い気がしますが、資金を集めるためなのか、それらよりも先にこれらの文言が踊ります。
投資家も中二病に群がる
私もそうですが、こういった魔法の文言に投資家は群がります。おそらくインターネットの普及によりこういった情報が広く知れ渡るようになった事が一員だと思います。ただの平凡な会社員である私ですら目にしているのですから、少なくとも私より経営についてのノウハウを持っている経営者や証券会社、銀行の人間なら尚更です。
IPOやVCからより多くの資金を調達するためには仕方が無いのかもしれませんが、本当にユーザーに提供したい価値や解決したい課題が目立たない、評価されにくい可能性があります。
今後もこういった文言に隠れる企業のメッセージを少しでも掴めるよう頑張るとともに、上場ゴールとも言えるような企業を掴まないようにしたいものです。
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