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【5G分析】5G関連銘柄の中で、どこが儲かるかを考えてみる

5G関連銘柄について考える

いよいよ今年から日本でサービスが始まるとされている5G。市場規模も大きいということで色々な報道もにぎわっていますね。先日twitterで総務省の資料をシェアしたところ、多くの「いいね」をいただき、需要が高そうだったので今回記事にしてみました。

関連しそうな会社(ジャンル)のなかで、果たしてどこが一番大きな果実を得るのか考察したいと思いますが、個別銘柄には言及しませんのでご了承ください。

なお、本件は総務省の5G関連の資料をを元にした個人的考察です。私自身は通信の中の人ではないので、あくまで公表されている資料からの類推になる点も併せてご了承ください。

そもそも5Gとは?

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世代時期通信方式最大速度特徴的な用途DVD1枚のDL時間
第一世代1980〜1990年アナログ方式電話43~44日
第二世代1990〜2000年デジタル方式9,600kbpsメール27~30時間
第三世代2000〜2010年デジタル方式64kbps~150Mbpsブラウザ45分〜5分
第四世代2010〜2020年LTE-Advanced110Mbps~1Gbps動画30~40秒
第五世代2020年~20Gbps?数秒

モバイル通信の新しい規格で第五世代に該当するのが5Gです。これまでモバイル通信の10年に一度程度更新されていて、その度に新しいサービスや産業、ビジネスチャンスがが産まれていることから大きな期待がされています。
過去の事例を見ても、大きく生活が便利になったことが明確ですね。

注意事項
・第三世代については詳細を省略(3.5世代、3.9世代)
・DVDのDL速度は1枚4.78GBで算出
・時期については日本での提供時期を記載(5Gは一部の国で2019年から本格展開済み)

5Gの想定利用シーンと市場の実現性

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画像引用:電波政策2020懇談会サービスWGワイヤレスビジネスTF報告書

5Gの想定されている利用シーンについては様々です。本日時点では壮大な未来が想定の利用シーンとして描かれています。特徴としては”産業”と言うワードが目立つと言う点でしょうか。

これらの想定利用シーンで描かれているものが本当に実現できるかどうかは、規制緩和やユーザー側への理解なども含めて時間がかかると思います。しかし、インフラの整備は事前に行われるため、電設系の企業は高い確度で実現し、早い段階成果を得られるものとして考えています。

5G用の電波を取得するためにドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天が投資計画を総務省に提出して約束がされているため、5Gに基地局の整備に多額の設備投資が予定されている部分については、比較的早い段階でほぼ確実に実現するものとしては、捉えてよいのではないでしょうか。

通信各社の5G基地局への投資予定額(2024年まで)

事業者投資計画
NTTドコモ7,950億円
KDDI/沖縄セルラー4,667億円
ソフトバンク2,061億円
楽天モバイル1,946億円

※既存の設備との組み合わせで当面は運用されるようですので、「設備投資額=性能」と言う話ではないようですので注意が必要です。

5Gの市場規模

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ではその他の企業はどうなのか。市場規模と照らし合わせて見ていきたいと思います。
色々な調査結果があり、どれを採用するかで形式がだいぶ変わるのが難点ですが、5Gの市場規模について総務省の資料では2つの数字がありますので、こちらの数字を元に考えてみます。

5Gの電波関連産業の市場規模予測

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画像引用:電波政策2020懇談会TF報告書

まず一つ目ですが、電波関連産業の市場規模を予測したものです。この予測によると 市場規模は2020年の60.5兆円から、2030年で84兆円と約24兆円の増加予測です。

参考までにこの24兆円という市場規模ですが、パチンコ産業が20兆円規模と言われていますので非常に大きな規模であることがわかります。
この数字で着目したい数字は以下です。

区分2020年2030年
電波関連企業27.9兆円34.5兆円
電波利用産業32.6兆円49.5兆円

 

電波関連産業(インフラ・デバイス・コンテンツ)が2020年の27.9兆円→2030年で34.5兆円と約24%増加予想なのに対して、電波を利用する側である電波利用産業の市場規模が2020年で32.6兆円→2030年に49.5兆円と約52%増加予想とされており、電波を利用する側の方が伸びると予測されています。

つまり、個社個社はわかりませんが、5G関連の総論としてはインフラ側の企業より利用側に着眼するのは一つの手かもしれません。

5Gの新たなモバイルサービスの市場規模予測

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画像引用:電波政策2020懇談会TF報告書

分野市場規模
交通21.0兆円
オフィス・ワークプレイス13.4兆円
医療・健康5.5兆円
小売・決済・金融3.5兆円
スマートハウス・ライフ1.9兆円
農林水産業4,268億円
教育関連3,230億円
スマートシティ2,700億円
観光関連2,523億円
スポーツ・フィットネス2,373億円
合計46.8兆円

これらを合計すると、約47兆円となっております。ここで注目が必要なのは交通・オフィスワークプレイスが非常に大きな割合を占めていることです。

5Gで実現する未来は、通信による最適化・進化と言えます。そして利用する側の方が市場規模が大きいのは前述の通ります。

つまり5Gによって大きな市場規模の増加が見込むには、 ある程度は既存の産業の規模が必要であると言えます。

総務省の資料内に、想定される利用シーンについて、ある程度具体的な内容が書いてありますのでここから関連銘柄を類推するもの面白いと言えます。

ローカル5Gはどのようにビジネスチャンスを生むか?

【5G分析】5G関連銘柄の中で、どこが儲かるかを考えてみる6画像引用:電波政策2020懇談会TF報告書

通信キャリアが5Gを整備した上で、ローカル5Gという新しいバズワードがにぎわっています。

総務省の資料によると、キャリアの基地局が建設されるのを待たなくてよい点や、キャリアの設備に依存しない管理体制ができるのがポイントのようです。
つまり、第三者に依存しては困る安定的な稼働(高いSLA・品質保証)が必要なサービス、もしくはキャリアサービスに補完・バックアップ的に提供されることが想定されます。

パッと利用シーンが思いついたのは遠隔医療ですかね・・・例えば遠隔での手術中に通信が止まるなどあっては困ります。また過疎地ほどその需要が高そうでキャリア設備投資も後回しになりそうなので、可能性は高いのではないでしょうか。

一方で、管理体制が必要ということで、ローカル5G用の基地局を提供でいる企業(管理できる企業)は限られると思いますので、ローカル5Gの電波を利用者側へ届ける側のプレイヤーが少なそうではあります。

【5Gケーススタディ】2G→3G→4Gの時はどうだった?

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歴史に学んでみましょう。2G、3G、4Gの時に大きく変化した企業はどこでしょうか。いくつかのサンプルを見て見ます。ユーザー目線で見ているので、サンプルに toC企業しかないのはご容赦ください。

【5Gケーススタディ】ダウンロード文化が誕生・ドワンゴ(2G→3G)

2Gから3Gになり、携帯で軽量のデータがダウンロードなどができるようになり、携帯の上でコンテンツを配信するビジネスが生まれ始めました。
それまで好きな人は自作していた着信メロディなどを配信するサービスなどが生まれました。レコチョクやドワンゴといった企業が時流に乗って行きました。

【5Gケーススタディ】モバイルインターネット・DeNA(2G→3G)

iモードをはじめとする「モバイルでインターネットを」すると言う斬新なコンセプトにより、ガラケーのブラウザ上でゲームを展開する会社が現れました。ゲームへの接触時間が増えたことでゲーム市場は大きく伸張しました。DeNAは「怪盗ロワイヤル」で多くの収益を得る事になります。

【5Gケーススタディ】デバイスを置き換えたApple(2G→3G→4G)

AppleのiPhoneは、多くの日本の端末会社やブラックベリーなどの既存メーカーを破壊し、低迷していたApple自身の企業価値を増大させました。また、通信規格のアップデートに伴う、端末の更新需要(置き換え・リプレイス)をコンテンツとの垂直統合により、ジレットのように実質的なストック化をさせました。

現在では世界でTOPレベルの時価総額を誇っております。

【5Gケーススタディ】外でも動画が見られるYoutube(3G→4G)

GoogleがYoutubeを買収したのは2006年です。当時できたばかりの企業に16億5,000万ドル(約2,000億円)を投じたのは狂気の沙汰だと報道されました。しかし、PCでの利用の増加だけでなく、モバイルの回線が高速になるにつれ外出先でも動画をストレスなく楽しむことができるようになったことで、テキスト・写真は動画に置き換わり始めました。

動画いちばんコンテンツを集めている同社の価値は高まり、現在では安い買い物だったと言われるほどです。

【5Gケーススタディ】リッチコンテンツを産んだガンホー(3G→4G)

PCゲームでは有名だったガンホーですが、ラグナロクオンライン以降のヒット作が続かず低迷していましたが、スマホ(3G・4G)によって、家でしかゲームができないと言う状況からいつでもゲームができる環境、それも高速通信により、リッチなゲームがプレイできる事でパズドラの大ヒットを産みました。

5G関連企業のまとめ

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と言う事でこれまでの振り返りをサマリにしてみました。確度の高い需要としては通信キャリア向けのビジネスを行なっているところが、収益化も早く、比較的堅実な収益を得られそうですが、通信キャリアは毎年3キャリアで既に1兆円くらいの設備投資をしているので”増加幅”としては少ないかもしれません。

携帯大手の設備投資推移をまとめてみた携帯大手の設備投資推移をまとめてみた

次に端末の置き換え需要が期待できます。これはiPhoneのように既存の端末を置き換える状況が生まれれば、大きなチャンスを得られそうな企業が出てきそうです。iPhoneを置き換えるのは大変そうですが、最初に「iPhoneなんて売れるわけがない」と言っていた大手キャリアの社長が居たと言う点は覚えておきましょう。

市場規模の大きさやホームランの可能性まで考慮するとネットワークを利用した上で、何かサービスを展開したり、新しい需要を喚起する企業の方がリターンが大きいと思われます。

どの企業にベットするか。足の長い需要・市場だと思うのでこれから注視したいと思います。