投資のアノマリーまとめ・一覧(日本株・米国株・為替の投資のジンクス・格言)

投資のアノマリーまとめ・一覧(日本株・米国株・為替の投資のジンクス・格言)

こんにちわ。こんばんわ。ジョン246(@100man1oku)です。

投資をしていると、「明確な根拠は示せない。ただなぜか当てはまる相場の格言」をよく耳にします。

一般的に「アノマリー(Anomaly)」と呼ばれるもので、経験的に観測できるマーケットの規則性のことです。

最近投資を始めた方も多いと思いますし、私自身もアノマリーについて集中的に調査したことがなかったので、今回調べてみました。これが投資に役立つかわかりませんが、知っておくと謎の上昇・下落について「アノマリーか」で片付けられる可能性もあるので、精神衛生上いいかもしれませんのでご参考まで。

日経平均株価のアノマリー

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日経平均株価の月別騰落率(月別のアノマリー)

日経平均月別騰落率アノマリー

騰落率
1月 2.20%
2月 0.80%
3月 0.87%
4月 1.52%
5月 0.50%
6月 0.67%
7月 0.23%
8月 0.47%
9月 △0.44%
10月 0.18%
11月 1.04%
12月 1.13%

日経平均の月別の騰落率を見てきます。日本の上場企業の約66%は3月期決算ですので、一般的に配当や優待の権利落ちがあるであろう3月と9月というのはパフォーマンスがよくありませんね。

一方で年もしくは年度が変わる1月と4月というのは比較的高パフォーマンスとなっております。全体の傾向として覚えておくと役に立つかもしれません。

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日経平均株価の干支別騰落率(干支別のアノマリー)

日経平均株価の干支別騰落率アノマリー

干支 格言 騰落率
子年(ね) 繁栄 24%
丑年(うし) 躓き 0%
寅年(とら) 千里を走る 2%
卯年(う) 跳ねる 16%
辰年(たつ) 天井 28%
巳年(み) 天井 13%
午年(うま) 尻下がり △5%
未年(ひつじ) 辛抱 8%
申年(さる) 騒ぐ 8%
酉年(とり) 騒ぐ 16%
戌年(いぬ) 笑い 6%
亥年(い) 固まる 17%

干支別の格言と当該年の騰落を集計しました。格言と騰落が結構当てはまっている気がするのですがいかがでしょうか。格言ということはこれまでの歴史的な数字を元にある程度意識されてきたものだと思うので当然かもしれません。

個人的には「天井」という単語の年に良いパフォーマンスなのですが、これは「即天井になる」という受け取り方と、「その年のどこかで天井」という受け取り方があると思います。この捉え方の差から、やや格言との差が生じる部分だと思うので逆に面白い年なのでは?と思いました。

日経平均株価の曜日別騰落率(曜日効果)

曜日 曜日効果の格言 騰落
月曜日 株安 △0.07%
火曜日 月曜日を継続 △0.01%
水曜日 週明けの下落から反発 0.07%
木曜日 反発継続 0.06%
金曜日 手仕舞いから下落 0.08%

曜日効果とは、一般的に曜日により取引傾向の変化が起こると言われており、曜日によって株価に傾向の差があると言われるものです。パッと浮かびやすいのは、金曜日や連休前は週末の取引できないリスクなどから手仕舞い売りが出るというものです。

ただ少し古いですが日経平均公式ガイドによると、少なくとも金曜日については格言とは違う傾向が出ています。

ダウ平均株価の月別アノマリー

ダウ平均株価・月別平均騰落率アノマリー

騰落率
1月 △0.5%
2月 △0.2%
3月 0.1%
4月 2.6%
5月 0.0%
6月 0.14%
7月 △0.3%
8月 △0.7%
9月 △0.44%
10月 1.2%
11月 2.6%
12月 0.8%

ダウ平均株価を時系列で見ると基本的には右肩上がりなのですが、月別に見ると騰落状況にかなり差がありますね。アメリカのイベントを全て把握しているわけではありませんが10月〜12月が強いのは、大統領選が11月にあることも関係しているように思います。

一方で日本のような年度替わり(よく言われる1月効果・後述します)についてはそこまで良いパフォーマンスにはなっていません。

また通称”セルインメイ”でよく知られる期間(5月〜10月ごろ)はやはりよくないですね。余談ですが日本人が夏の賞与でアメリカ株を買うのはアノマリー的には合理的かもしれません。

ナスダック平均株価の月別アノマリー

ナスダック平均株価・月別平均騰落率アノマリー

騰落率
1月 2.6%
2月 0.6%
3月 0.8%
4月 1.3%
5月 1.2%
6月 0.7%
7月 0.5%
8月 0.2%
9月 △0.5%
10月 0.7%
11月 1.7%
12月 1.4%

次にナスダック平均の月別の騰落状況(出典:マネックス証券)です。こちらは1月効果の影響か1月に良いパフォーマンスが出ています。またハイテク銘柄が多いことも要因でしょう。それらの企業の自律的成長が相対的に他の市場の銘柄より高いことが全体的なパフォーマンスを押し上げていると推察できます。

またこちらも”セルインメイ”でよく知られる期間(5月〜10月ごろ)はやはりよくないですね。2度目ですが日本人が夏の賞与でアメリカ株を買うのはアノマリー的には合理的かもしれません。

S&P500平均株価の月別アノマリー

S&P500月別平均騰落率アノマリー

騰落率
1月 1.2%
2月 0.2%
3月 1.1%
4月 1.5%
5月 0.7%
6月 0.3%
7月 0.6%
8月 △0.1%
9月 △0.7%
10月 0.9%
11月 1.3%
12月 1.2%

次にS&P500平均の月別の騰落状況(出典:マネックス証券)です。当たり前かもしれませんがナスダックとダウの中間のような値を示していますね。

こちらも”セルインメイ”でよく知られる期間(5月〜10月ごろ)はやはりよくないですね。いい加減しつこいですが日本人が夏の賞与でアメリカ株を買うのはアノマリー的には合理的かもしれません。

アノマリーまとめ(一覧・あいうえお順)

投資のアノマリーまとめ・一覧(日本株・米国株・為替の投資のジンクス・格言)3
ここからはアノマリーとしてよく言われることについて、一覧にしてみました。

アメリカ大統領選

アメリカ大統領選は立候補者が経済政策を多く発表することや、現職の大統領が支持を集めるために経済政策が打つことが多いことから、株式市場に大きな影響を与えます。特に11月の大統領選前後は情勢によって株価が動きやすいので、11月効果とも言われます。

1月効果

主に機関投資家の投資行動による影響で1月は株価が上がりやすいと言われています。年末に休暇や税金調整のために売却してポジションを落とすことが多いことが多く、1月はその反動で買いが優勢となりやすいと言われています。

またアメリカの新年度に当たることが多いため機関投資家がリバランスを行う時期も1月が多いと言われております。その効果もあってか、実際に1月は株価が上がった年が約7割ほどとなっており、有効なアノマリーの一つです。

SQ

先物の価格差の精算・調整のために裁定取引が行われます。特に3ヶ月に1度のメジャーSQ(3月/6月/9月/12月)の時は大きく株価が動きやすくなります。これ自体はアノマリーではありませんが、この裁定取引によって精算よりも株価が動きやすくなることがアノマリーと言われることがあります。

オリンピック効果

オリンピックがある前の年とオリンピックが施行される時期というのは株価が上がりやすいと言われる傾向です。実際に1949年〜2020年(2019年と2020年は前年カウント)まで、前年は平均で約20%、施行年は約14%ほど株価が上昇しております。

解散総選挙は買い

解散総選挙が発表されると株高になりやすい傾向から言われるアノマリーです。アメリカ大統領選でも同じような格言が言われることがあります。

月曜日の株安

週末に悪材料などが出て、月曜日の株価が安くなる傾向のこと。上の方のデータを見ても統計的にも正しいため、もはやアノマリーではない気もしますが・・・

小型株効果

時価総額の小さい株の方が、大型株よりも収益率が高くなる傾向のこと。一般的に時価総額の低い銘柄はファンドの投資対象になりにくく、また企業の成長余地も大きいことが大型株に比べると大きいことから、その効果を言われます。また流動性に乏しいことも指しており、ハイリスクハイリターンの投資に関するアノマリーとしても使われます。

ゴトー日(5のつく日・10のつく日)

一般的に日本企業の決済日になることが多い5日と10日は、為替が荒れやすいというアノマリーです。例えば輸出入を行っている企業は、決済日にドル建て・円建ての決済を決済日に行いますが、決済日が5のつく日・10のつく日に固まっていることから、その影響が為替に現れるというものです。

GWの値動き

日本独自ですがGWの長期連休により株の動きが普段と異なることを言います。ちょうど日本の上場企業の66%が3月決算で決算時期と重なることも要因でしょうか。

◯◯サイクル

10年周期、10年サイクルと使われることが一番多いかもしれませんが、ある周期に沿って株安・株高になりやすいことを指します。

4月効果(新年度効果)

日本の上場企業の66%は4月が新年度です。新年度の節目に新規の資金が流入して株高が起こりやすいというアノマリーです。節分天井彼岸底で売却した資金の戻りという見方もあります。

ジブリ効果・サザエさん効果

アニメの関するアノマリーです。金曜日と日曜日に放送されることから月曜日の株安のアノマリーに関連して言われることがあります。ジブリの放送日はなぜかアメリカの雇用統計の発表日と重なることが多く、為替の変動をもたらしやすいことから言われるようになりました。(為替の変動により株価も下がりやすい):

サザエさん効果は「サザエさんの視聴率が高いと翌日の株価は下がる」というアノマリーですが、こちらも日曜日の夜に家にいるような状態(翌日に備えている)の人が多いと推察されることから言われる効果です。

類似用語で「ルパン効果」も言われることがあります。これも金曜ロードショーでやるアニメだからでしょうね。

11月の株高・12月の株安

11月の株高はアメリカ大統領選が行われる月であることから昔から言われてきた格言の一つです。夏枯れやセルインメイなどで言われる軟調局面からの反発の時期であることも要因でしょうか。

そして12月は11月の株高の利益確定や年末の税金調整、冬休み前の手仕舞い売りに押されることから言われます。

節分天井彼岸底

1月効果で株価が上がり、2月上旬ごろから利益確定売りに押されて(節分天井)株価が低迷しやすく、その流れで3月決算に向けた調整(彼岸底)で軟調に推移しやすいことを指します。

セルインメイ(sell in may)

「sell in may and come back in september」という投資の格言・アノマリーです。この手のアノマリーでは一番有名なんじゃないでしょうか。直訳すると株は5月に売って10月までに戻ってこいという意味ですが、前述の月別の株価を見ても5~9月は軟調に推移することが多いため、このように言われるようになりました。

TOM効果(月の変わり目の効果)

月の変わり目で株価の変動が起こりやすいことを指します。英語のTurm Of Monthの頭文字を取ってTOMと呼ばれます。一般的に月末・月初の企業活動による影響と言われ、月初は株価が高くなりやすいようです。

低PER効果/低PBR効果

PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が低い銘柄は、株価的に過小評価とされていることから高い収益を得やすいと言われており、そのことを指します。

夏枯れ・夏枯れ相場

日本のお盆休みや海外でも夏休みの時期で、その時期と相場が重なることで、相場への資金の流入量が減り7~8月は株式市場が軟調に推移することが多いことから、その事象を夏枯れと言います。

一方で8月後半はなぜか為替が動きやすくなるという特徴もあります。夏枯れで市場での資金量が少ないので投機筋が動かしやすいという見方が優勢です。

配当利回り効果

配当利回りが良い銘柄は、他の銘柄と比べて収益率が高くなる傾向にあることを指す。

ハロウィン効果

11月は歴史的に株高になりやすいですが、その節目となっているのが10月末のハロウィンの時期からであることから近年はハロウィン効果と呼ばれるようになりました。ヘッジファンドの決算・決済のタイミングがちょうどその時期で値動きしやすいことが要因と言われています。

2日新甫は荒れる

新甫(しんぽ)とは、もともと商品先物取引で新たに始まる限月のことで、その月の最初の取引日を指す。祝祭日などにより2日が月初立会日となった場合、相場の値動きが大きく荒れやすいという格言。

魔の水曜日

SQの算出がある週の水曜日は荒れやすいという格言。SQに備えた取引量の増加や現物売りが起こりやすいことから軟調になりやすいと言われます。

(サラ)リーマン買い・売り

最近twitterや掲示板で言われるアノマリーです。平日の日中に売買できないサラリーマン(個人投資家)の注文時間の関係で、業務開始前の注文である9時前半と、昼休みの12時半~13時ごろに値動きしやすいことを指します。

ロンドンフィッシング

金のスポット価格はロンドン時間の16時(夏は15時)に値決めされます。この際に為替が動きやすいことをロンドンフィッシングと言います。