年収1,000万円について皆さんはどうお考えでしょうか。
私の場合、父の年収が1,000万円以上あったので子供の頃から漠然とそれくらいは稼ぎたいなと小さい頃から思っていた年収です。怒られるかもしれませんが子供の頃は年収1,000万円の難易度など理解しておらず、身近な父親が達成している水準なので「普通に働いていたらもらえる金額」だと思っていました。
現在、実際に年収1,000万円に到達して思っていることは、流石に小さい頃と比べると難易度がそれなりにあることは理解していますが、少しの運と選択さえ合っていれば特別なスキルがなくても到達できる年収(これくらいまでの年収差は能力ではなく、ただの環境の差)という理解です。
このページではそんな年収1,000万円について掘り下げて考えていきたいと思います。
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年収1000万円の割合から難易度について考えてみる
年収 | 人数 | 割合 |
100万円以下 | 409万8,000人 | 8.1% |
101万円以上〜200万円以下 | 688万2,000人 | 13.7% |
201万円以上〜300万円以下 | 761万7,000人 | 15.2% |
301万円以上〜400万円以下 | 866万7,000人 | 17.2% |
401万円以上〜500万円以下 | 748万2,000人 | 14.9% |
501万円以上〜600万円以下 | 514万8,000人 | 10.2% |
601万円以上〜700万円以下 | 329万1,000人 | 6.5% |
701万円以上〜800万円以下 | 211万1,000人 | 4.4% |
801万円以上〜900万円以下 | 144万9,000人 | 2.9% |
901万円以上〜1,000万円以下 | 93万2,000人 | 1.9% |
1,001万円以上〜1,500万円以下 | 180万4,000人 | 3.6% |
1,501万円以上〜2,000万円以下 | 39万3,000人 | 0.8% |
2,001万円以上〜2,500万円以下 | 12万8,000人 | 0.3% |
2,500万円以上 | 16万4,000人 | 0.3% |
国税庁の調査を見ると1,000万円以上稼いでいるのは約5%と言うことで、やはり1,000万円の難易度はそれなりに高いと言えそうです。ざっくり5%ぐらいでしょうか。
しかし、これは源泉徴収されている方を対象に取っていている点から、士業などで大きく稼いでいるや、プロスポーツ選手などは含まれておらず、実態はもう少しいらっしゃるなんじゃないかなと思います。(※その逆という考え方もできます。)
このページでは年収1,000万円を超えている割合はおよそ5~10%の間ぐらいとして進行したいと思います。
年収1000万円になって思うことは「そんなに大したものではない」
年収1,000万円を実際に超えて思ったことは「そんなに大したものではない」ということです。世間では時より”ものすごく勝ち組”のような語られ方をしますが、私自身は全くそんなことはないと思っています。
一言で言うなら、“「衣・食・住+教育」のどれか一つにお金を掛けることができますが、全部にお金を掛けることはできず、いくつかのことを諦める必要があるくらいの年収”です。
また、「衣・食・住+教育」のどれか一つにお金を掛けたことにより、お金を掛けた領域でさらに上の世界の住人を見てしまうのも「大したことない」と感じる要因かもしれません。
例えば、少し背伸びをすれば賃貸もしくは1K〜2LDKぐらいの一等地のタワーマンションに住むことはできます。しかし既に背伸びをしていますので車を持つことは難しいと思います。しかし、そのタワーマンションのロビーでお会いする方の多くは、地下駐車場にベンツやBMW、もしくはそれ以上の高級車を軽々維持されています。
そう言った上の住人とは生きているフィールドが違うことを認識するのが、このあたりの年収だと思います。そう言った世界から見ると年収1,000万円は、“あくまで庶民からの延長線”であることを強く認識します。
「上には上がいる・・・」という背景もあり、ご批判いただくかもしれませんが、私は年収1,000万円は「そんなに大したものではない」と感じている次第です。
年収1000万円あると何ができる?手取りから暮らしぶりや生活レベルについて
そうは言っても年収1,000万円あればそれなりの生活できるでしょ?という質問に関しては「yes」です。前述の通り、上さえ見なければ足元の生活にゆとりはある方だと思います。
年収1,000万円の手取りは人によりますが、手取りはおおよそ700〜800万くらいの手取りとなりますので、年俸制などで単純月割りなら「月60~70万円」の手取り、ボーナスがある場合は「月40~50万円+ボーナス夏冬各100万円」ぐらいが一般的でしょうか。
どの程度の生活レベルかというのは、その人の属性(居住地、家族構成、資産状況など)によります。私の場合は年に2~300万ぐらいは選択肢があるイメージです。参考までに独身時の私の生活状況を晒します。
(ご参考)私の独身時の月々の家計イメージ | |
項目 | 金額 |
月の手取り | 450,000円 |
家賃・水道光熱費・通信費の固定費 | △180,000円 |
食費・消耗品などの変動費 | △60,000円 |
自己投資 | △20,000円 |
貯蓄・投資・趣味 | △150,000円 |
交際費・雑費 | △40,000円 |
ざっくり家計を示すとこの表のようなイメージです。私の場合は普通の会社員ですので仕事のパフォーマンスによって年収が上がってることもあり、一定程度は仕事にコミットする必要があります。その為、会社の近くに家を借りることで家賃が膨れているのと、仕事に必要な自己投資の負担がやや重めです。
とは言っても月に15万円程度は貯蓄や投資、趣味への浪費ができていますので、この部分はゆとりと捉えていいかもしれません。また今後リモートワークが前提になると、家賃も少し圧縮できそうな気がします。
月々の15万円程度の選択肢に加え、夏冬のボーナスは丸々残る計算になります。これでゆとりがないとは流石に言えません。
ただし、これは私が独身時の内容です。例えば子供が生まれてSAPIX(小学6年生で月5万円以上かかる塾)などの将来を見据えた教育投資などを施した場合、ゆとりはほとんどなくなる計算になります。
おそらく今1,000万円以上稼いでいる方は、ご自身が教育投資を受けてきた恩恵を実感している方が多いと思いますので子供にも同じように投資するはずです。(もちろん教育投資ができる時点でゆとりがある証明とも言えますが・・・)
日々の生活のゆとりの有無という観点で考えますと、同じ年収1,000万円でも子供がいる家庭はゆとりがなく、独身はゆとりがあると捉えた方が実態に近いでしょう。
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年収1000万円に憧れるな(憧れない方がいい)
今回「年収1000万円」の記事を書くにあたり、色々調べました。検索のサジェストには「モテる」とか「憧れる」とか「羨ましい」、「仕事きつい」というようなものを見かけましたので、その点について個人的な感想を述べたいと思います。(捉え方によっては”綺麗事”と言われる内容も含むと思います。)
年収1000万円ってモテる?モテない?
正直モテるかどうかは人によると思います。合コンやマッチングアプリなどでの異性との出会い方でしたら、年収というのは不利にはならないと思いますが、文字通り不利にはならない程度です。当然年収だけの比較になると上には上がいますので、それ自体が有利に働いていると私は思いません。
年収1000万円って憧れる?羨ましい?
「憧れる」「羨ましい」というようなサジェストも見かけましたが、そのような要素は少ないと思います。というより憧れたり羨むならもっと上の数字(年収)にした方が良いと思います。
先程の生活状況から見てもできることが著しく増える訳でもないですし、一般的にこの辺りの年収から税負担も重くなってきたり、仕事へのコミットの割合が増えたりと辛い部分も増えてきます。ある調査では年収700万円以降は年収が上がっても幸福度があまり上がらないという調査もありましたが私自身その調査にはとても共感しました。
年収1000万円の仕事ってキツい?
仕事によると思いますが、いきなり年収1,000万円になる人の方が少数派で大半がステップを踏んで年収1,000万円になった前提で話をします。
人の上に立って仕事をしている方には共感いただけると思いますが、当人ができない範囲の仕事は基本的に振りません(振られてきません)ので、仕事というもの自体が、(年収がいくらか関係なく)当人にとってクリアできる・耐えられる仕事量や仕事内容であるはずです。
つまりこれまでの過程で、その仕事に必要なステップを踏んできているので、額面だけ見ると仕事自体は大変な仕事かもしれませんが、当人から見ると大変ではあるものの他人が感じているほどは重くもないと言ったところでしょうか。
年収1000万円にどうやって到達したか、どうやったら良いか
最後に年収1,000万円を狙うにはどうやったら良いかという点について私になりに思うことを書いていこうと思います。答えはシンプルで結論から言うと、
「年収1,000万円が狙える職を選ぶ」
「年収1,000万円が狙える会社に入る」
「副業を頑張る」
と言う3択に尽きるかと思います。正直、個人のスキルだけでお金を稼ぐというのは、かなり人を選びますので現実的ではないのかなと。そう言った面から才能や運の要素を排除しやすいのは「年収1,000万円が狙える会社に入る」かと思います。(私の場合はこれを学生の段階から逆算して考えて就活しました。)
それぞれ少し深掘りしてきます。
年収1,000万円が狙える職を選ぶ
年収1,000万を狙う上で一番確実確実性が高いのが「年収1,000万円を狙える職業に就く」ことです。例えばプロ野球選手やプロサッカー選手の平均年俸は調査によって誤差はありますが数千万円ありますので、年収1,000万円に到達する可能性はかなり高いでしょう。ただし、これは大前提として才能が必要となりますので人を選びます。
次に可能性が高い職業として医師や士業などの一般的に年収が高い職業が挙がります。こちらも平均年収が1,000万円を超えている調査が多いので、年収1,000万円に到達する可能性は高いでしょう。ただし、試験に合格する必要があります。多くの方が試験で夢破れていることを考慮すると、こちらも一定程度の才能が必要と言えるかもしれません。
年収1,000万円が狙える会社に入る
一般人に一番可能性があるのが、この「年収1,000万円が狙える会社に入る」ではないでしょうか。具体的には平均年収が高い会社に入ることです。しかし上場企業でも平均年収1,000万円を超える会社は少ないです。平均年収1,000万円を超えている会社は約3,500社の上場企業のうち持株会社を含めても70社しかありません。
しかし、役職者に年収1,000万円の方がいると想定される平均年収750万円以上の会社まで目線を広げると約500社と一気に社数が増えます。このあたりを狙うのが年収1,000万円を超える為に必要な現実的な解だと思います。(ただし、一定程度の出世が必要だと想定されるので実力だけでなく、運の要素が増えます。)
ではこの辺りの会社にどう入るか?の部分ですが、これらの会社の新卒求人・中途求人を調査したところ一定の共通点がありました。
<新卒の場合>
学歴は「大東亜帝国以上」であれば、文系でも理系でもチャンスはありそうです。もちろん、上の大学の方がより有利だと思います。ただし、大東亜帝国ぐらいでも採用実績があると言うことは、偏差値で言うと50ぐらいがターゲットになりますので、多くの人にチャンスがある範囲ではないでしょうか。
<中途の場合>
中途の場合は学歴というより「技能・職歴」が求められます。具体的に今多い求人は「英語」「ITスキル」「プロジェクトマネジメント」が多い印象です。これは多くの大手企業がグローバル化とDX推進(テジタルトランスフォーメーション)に舵を切っていることも要因だと思います。これらも簡単ではないですが、若い方でしたら逆算して準備できる項目だと思うのでチャンスは多めかと思います。
副業を頑張る
最後の副業を頑張ると言うのは一番確率が低いかもしれませんが、大きな元手をかけずにお金を稼げる時代になりましたし、前述の2つと比べて誰にでも平等という意味で挙げさせていただきます。
暴論ですが会社員として人生の半分の時間を会社に売ることで平均年収500万円ぐらい得ていたとして、それが時間を売る金額として適正な金額だとすると、単純に残りの半分の時間を使えば・・・と言う意味で一番平等なチャンスかと思っています。
どれも難しい場合
「年収1,000万円が狙える職を選ぶ」
「年収1,000万円が狙える会社に入る」
「副業を頑張る」
が難しいという方は最後の手段としては「伸びている会社に入る」「伸びている業種を選ぶ」という方法があります。これは会社や業界が成長してくれないと難しいですが、会社の成長と共に給料が平均的に切り上がる可能性に賭けるというものです。
具体例を挙げますと、15年ほど前のサイバーエージェントや楽天が該当するかと思います。両社は今でこそ人気企業ランキングなどで上位に入り、平均年収も高めですが、当時は今よりも平均年収がかなり低く当時は「ブラック」や「怪しいネット企業」で一括りにされていた時期ということもあり、入社のハードルも今よりも低かったです。
最後の手段:世帯年収1000万円
一人で1000万円に到達できないのであれば世帯で目指すのも手です。固定費など2馬力だと効率化できる部分もあるので、こちらの方法の方法の方が本質的かもしれません。
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まとめ
今回の内容は色々な捉え方ができると思います。「年収1,000万円程度で偉そうに何言っているんだ」ですとか「マウント取るな」と言う否定的なご意見もあるかと思いますが、年収1,000万円というのは「ただの環境の差」「運の差」だと思っていますので、そのような意図は全くありません。
例えば社長の年収が1,000万円の会社を選んでしまうと、一般的に従業員がそれを超えるのは難しいと思います。その為、大前提として年収を上げるには年収環境のいい職業選択が重要であると考えています。しかし、行動している人は少数派のように思っています。
冒頭に書いた通り、私は運が良く到達できました。平均年収の良い会社にラッキーでたまたま入社でき、会社が成長し、上司に恵まれ昇級したことで到達できました。
職業選択がうまくいき、上司に恵まれると平凡な人間でも到達できるということが少しでも伝わればと思いますし、何かの気づきになればとおります。